42台目は「は」

ダイハツ ハイゼットキャディー

     (はいぜっときゃでぃー)

グレード・年式660X SAⅢ 4WD  2016年
エンジン型式直列3気筒DOHCターボ
排気量658cc
出力・トルク64ps  9.4kg-m
全長×全幅×全高3395×1475×1850
車重1020kg
新車価格150万7000円

説明

乗用の軽トールワゴン(軽スーパートールワゴン)であるウェイクを基に、既存のハイゼットカーゴの派生・横展開車種として発売された2シーター専用モノスペース軽ボンネットバンの商用車である。基となった既存のウェイク同様、エンジンとドライブホイールをフロントに配置した「FFレイアウトパッケージ」を採用する。最大積載量は150kgであり、かつて同社から販売されていたミゼットII(ピック/カーゴ)と同一の数値である。

ボディカラーは通常「ホワイト」のみだが、パックオプションの「選べるカラーパック」を装着することで、ウェイク・10代目ハイゼットトラック/ハイゼットカーゴ採用色である「トニコオレンジマイカメタリック」をはじめ、「ミストブルーマイカメタリック」、「ライトローズマイカメタリック」、「ブライトシルバーメタリック」、「ブラックマイカメタリック」の5色から選択可能となる。なお、「ブライトシルバーメタリック」は2017年11月の一部改良で通常設定色となったため、「選べるカラーパック」設定色は4色に変更された。

フロントのフードガーニッシュを省略し(エンブレムはDマークエンブレム)、バンパーガーニッシュをブラックに、リヤコンビネーションランプもバルブ式・リフレクター内蔵の専用品に変更するなど、ウェイクとデザインを差別化している。また、ステアリングホイールもウェイクとデザインが異なるものを採用している。

しかし結局はベース車であるウェイクともども、ハイゼットとタントに統合される形で生産終了へと追い込まれた。 発売当初、月販1,000台(年販12,000台)の販売台数を計画をしていたものの、発売当初から月販販売目標を大きく下回る販売不振が続いており、特に発売から3年目以降の月販平均台数は50 – 60台程度と低迷が続いていた。(後述のN-VANや後に登場したスペーシアベースとは対照的に)完全な2シーターであったうえハイゼット・タント・ウェイクとの同士討ちが発生した(配送業者のように積載性に振るならハイゼットに、貨客兼用前提であればタントやウェイクに流れた)こと、キャディー自身が広報不足やウェイクとの差別化に失敗し知名度が低かったこと、さらに同様のスタイルかつピラーレススライドドアを採用したうえダイハツと違い同門にライバルのいないホンダ・N-VANが登場したことなどが原因であると指摘されている。さらにはそのベース車であるウェイクに関してもアトレーとタント「ファンクロス」に吸収される形で1年後に生産終了となった。

先述の通り、後部スライドドアを採用したモノスペースタイプのハイトワゴン型軽商用車であるが、前方にエンジンを収めたボンネットフードが存在するため、全国軽自動車協会連合会の新車販売統計では「軽貨物車内訳-ボンネットバン」枠での集計が行われていた。

なお、本車種はトヨタ自動車(ウェイクはあった)やSUBARUへのOEM供給は行われなかった。

トランスミッションはハイゼットシリーズで初めてとなるCVTを採用。また、ウェイク同様に「e:Sテクノロジー」を導入し、クールドi-EGRやCVTサーモコントローラー、樹脂化ボディなどを採用。併せてアイドリングストップ機能「eco IDLE(エコアイドル)」を全車に標準装備したことで、NA・2WD車は「平成27年度燃費基準+25%」、NA・4WD車は「平成27年度燃費基準+20%」、ターボ車は「平成27年度燃費基準+15%」をそれぞれ達成した。

安全面では軽商用車では初となるカメラとソナーセンサーを備えた衝突回避支援システム「スマートアシストII」をダイハツ軽商用車で初採用するとともに、EBD機能付ABS、VSC&TRC、エマージェンシーストップシグナル、ヒルホールドシステムは全車に標準装備し、軽乗用車並みの装備とする一方で、軽商用車初となるLEDヘッドランプ(Loビーム)を全車にメーカーオプション設定している。「スマートアシストII」は2017年11月の一部改良でステレオカメラ方式の「スマートアシストIII」に更新。車両だけでなく歩行者も認識し作動する機能が付加された。

音の侵入経路遮断と吸遮音材の配置によって静粛性を高めたほか、シートはリクライニングが可能なセパレートタイプを採用。ウレタンバンプスプリングの採用やスタビライザーを標準装備することによって操舵安定性を高める一方で、コイルスプリングのばね定数やショックアブソーバーの減衰力特性を最適化することにより商用車としての耐久性を確保していた。

タイヤサイズ、及びホイールのインチ数に関してはベースとなったウェイク用のものとほぼ同一であり、タイヤサイズは155/65R14の軽乗用車用で、14インチスチールホイールが用いられたほか、メーカーオプションとして、アルミホイールも設定されていた。

思い出

久しぶりに「ズルい!!」と叫んだクルマ。当時最高のパッケージで発売されたウェイクの商用車バージョン。今ですらホンダのN-VANやスズキのスペーシアBASEのように「遊べる商用車」が出てきているが、それを先駆けるように「遊べそうな商用車」として出てきたクルマです。なぜ、「遊べそうな」かって?だってダイハツはそれをウェイクでやってしまったからハイゼットキャディーは完全な商用車の位置にしてしまったから・・・。

これは私からしたらダイハツのマーケットの読みミスとしか思えない。当時はまだ車中泊ブームになっていないため、このクルマを街の商用車として販売をしていた。ただ、その時から車中泊をする人は一定のマーケットがあり、軽で車中泊する人はスズキのジムニーとかでやっていたのである。そこを読んでいてこれだけのパッケージングと性能のクルマであるのだからもっと販売が伸びていたのかもしれない。

私がクルマを増車できる環境であればこのクルマを完全な「遊びグルマ」にしていたと思う。既にリアには座席のないフラットな床なのだからマットレスを敷きっぱなしにして、天井は高さを活かしてネットでラゲッジスペースを作る。これだけで立派な車中泊仕様である。パワーもあるしおもちゃとして持って来いのクルマである。

生産中止を聞いたときは大変残念な思いをしたことを覚えている。当時の販売台数は月に数十台程度。あと2年頑張って販売すれば大化けしたクルマになっていたのかもしれない。リアに座席のあるN-VANやスペーシアBASEよりは寝心地も良かったであろう。心から残念なクルマである。

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