33台目は「あ」

トヨタ アルテッツァ

    (あるてっつぁ)

グレード・年式RS200Zエディション  1998年
エンジン型式直列4気筒DOHC
排気量1998cc
出力・トルク200ps  22.0kg-m
全長×全幅×全高4400×1720×1410
車重1360kg
新車価格254万円

説明

コンパクトなボディでFRレイアウトのセダン」として開発がスタートしたが、後に同時期に開発中だった他のスポーツセダンと統合され、さらにレクサス店の販売戦略における欧州Dセグメント車(BMW・3シリーズやメルセデス・ベンツ・Cクラスなど)への対抗車種としての役割も担うことになったため、スポーツセダンとプレミアムセダンの双方の役割が求められることとなり、開発途中でコンセプト変更がなされた。その成り立ちから「AE86の再来」という表現がなされることもあるが、AE86とは車格からコンセプトに至るまで大きく異なる。

プログレやブレビスとプラットフォームを共有しており、ボディタイプはセダンとハッチバック(ただし、トヨタではリアオーバーハングの短いステーションワゴンとしてカテゴライズされた)の2種類が用意された。

外観デザインはショートオーバーハング+ロングホイールベース+大径ホイール(17インチ)と、スポーツカーを意識したプロポーションとなっている。このスタイルは、後のトヨタやレクサス店のFRセダン(S180系クラウン以降のFRセダンなど)に受け継がれている。なお、トヨタ車ながら内外装には同社のCIマークを装着していないのが特徴である。後期型LエディションのアルミホイールにはCIマークが装着された。大小2つの円を用いたデザインのリアコンビネーションランプと大幅に切り詰められた前後オーバーハング、17インチアルミホイールと低偏平(215/45偏平)タイヤ、そしてクロノグラフをモチーフとしたデザインのメーターなどが採用されている。当初は2L直列4気筒搭載のスポーツ仕様である『RS200』にのみに6速MTが設定されていたが、後に直列6気筒搭載の『AS200』にも追加された。ステーションワゴンモデルである『ジータ』では、当初『AS200』のみに6速MTが設定されていたが、後のマイナーチェンジで消滅し、全車ATのみの設定となっている。なおRS200のATは5速、AS200のATは4速、『ジータ』の『AS300』は5速であった。

エンジンは1G-FE型 直列6気筒エンジンと3S-GE型 直列4気筒エンジンを選択。どちらも2L。『ジータ』の『AS300』は直列6気筒3Lエンジンを搭載している。3S-GE型エンジンは吸気・排気の両方に可変バルブ機構(VVT-i)を搭載し、MTの210馬力仕様にはチタンバルブを採用するなど、当時の最新技術が盛り込まれている。従来の3S型エンジンとは、横置きから縦置き仕様へと大幅に設計変更されている。また、RS200とAS200の6速MTモデルには、トルセンLSDが標準装着されている。発売当初、この3S-GE型エンジンはカタログスペック上において日本製2,000ccの自然吸気エンジンの中では最高出力となる210馬力であった。

プラットフォームは2代目アリストから採用された当時最新の「FRマルチプラットフォーム」の改良版で、プログレに採用されていたものをベースに改良されたものである。フロント、リア共にスープラなどのスポーツカーやクラウンなどの高級セダンにも用いられたダブルウィッシュボーン式サスペンションが採用され、サブフレームを介してボディにマウントすることで運動性能と乗り心地の向上、両立を図っている。また、前後重量配分が適正化されるよう、可能な範囲で車体の軽量化にも重点が置かれた。MT車では、フロントはアリスト用、リアにはアリストより1サイズピストン径が大きいブレーキキャリパーとローターが使われ、制動性能は高く、当時の日本のブレーキアセスメント試験で最短制動距離を記録している。後のマイナーチェンジではリア周りのボディ剛性が引き上げられ、リアサスペンションの路面追従性が向上した。そしてABSがGセンサー付の「スポーツABS」へ変更されるなど、走行性能のレベルアップが図られた。

高い剛性と日欧米の各地域の基準クリアを両立すべく、衝突安全ボディーが採用された。そのため、重量は当時としてはやや重めの1,300kg∼1,400kgとなった。インテリアでは、スピードメーター(マイナーチェンジ後のRS200の6速MTはタコメーター)の内側に水温計・油圧計(AS系は瞬間燃費計)・電圧計3つの計器を配したクロノグラフ形状のメーターを採用した。内装に使用される革はレクサスISのものよりグレードが落とされており、シフトレバーやパーキングブレーキレバーのブーツには合成皮革(フェイクレザー)が使われていた。またシフトレバーは当初は全モデルでアルミニウム削り出しのノブを採用していたが、炎天下での使用に支障をきたすことなどから後に合成皮革を用いたタイプも登場している。

思い出

アルテッツァは会社の私の同期が乗っていたクルマである。その子は女子であったが、クルマ好き一家に育ったためか、クルマもいい選択をしていた。アルテッツァの前はサイノスに乗り、足回りにはBBSのメッシュホイールを履かせていた。その子が突然私の前でアルテッツァに乗ってきたのである。あまりのギャップに驚いたが、「まぁ、このチョイスもあるのかな」ともおもっていた。

雑誌や前評判では「AE86の後継車」とも言われ続けてきたが、出てきたのは2000CCの立派なセダンである。当然ながらAE86のような軽さもないため軽快な走りとまではいかないが、200psのエンジンはそれなりにパンチがあるものであった。

アルテッツァの真髄は排気音であったと思う。「これでノーマルなの?」と思わせる乾いた低音の響く排気音。走り抜けていく姿がいい音を奏でていた。

正直、欲しいクルマではあったが、当然買えるだけの資力もなく、前述の同期が乗っていたこともあり、当時の「知り合いが乗ってるクルマには乗らない主義」が発動しており、手に入れることはなかったものである。

もし、買っていたら・・・私は4気筒のRSグレードでなく6気筒のASグレードを買っていたと思う。それこそアルテッツァの中ではマイナーグレードであるが、サーキットを走るわけでもない私は6気筒のシルキーな感覚の方があっていたのかもしれない。当時乗っていたGX71マークⅡも同型式のエンジンを積んでいたことも理由の一つである。1G-G型エンジンは長きにわたりトヨタの6気筒エンジンを支えてきた。その集大成であり最終形がアルテッツァの6気筒だったと思う。私的にはマークⅡに敬意を表するためにも購入するとしたらASグレードであったと思う。

次期モデルが販売チャンネルの関係でレクサスISとなったことからアルテッツァとしては1代限りのモデルとなったが当初の期待を外れながらも憧れのクルマの1台でもある。

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