21台目は「は」

ダイハツ パイザー

     (ぱいざー)

グレード・年式CX    1996年
エンジン型式直列4気筒OHC
排気量1498c
出力・トルク100ps  13.0kg-m
全長×全幅×全高4115×1640×1620
車重1120kg
新車価格174万4000円

説明

2代目シャレードソシアルをベースに開発された車である。1996年8月発売とコンパクトトールワゴンとしては早い時期の登場で、ダイハツの自社製小型ボンネットワゴンとしても1969年にコンパーノワゴンが生産中止(販売終了)されて以来27年振りである。5ナンバーサイズ枠の上限を大きく下回るサイズながら広い車内空間と当時大衆車に設定されることの少なかったフルオートエアコン、木目調パネル、本革シートなど装備が充実していたということもあり登場からしばらくはそこそこ売れたものの、同年に先行して大ヒットしていたマツダ・デミオを筆頭に多くの競合車が登場してきた事、さらに世間の「ダイハツ=軽自動車」というイメージが強い事もあって次第に販売が低迷。YRV登場後も販売を継続し、少数生産されたものの2002年7月に生産中止となり、その1か月後に販売終了となった。

思い出

このクルマにつてはクルマ自体の思い出よりもCMのインパクトが強いクルマだった。

発売当時にCMキャラクターに選ばれたのはアグネス ラム。CMコピーは「おっ、パイザー」である。今の時代なら完全アウトなCMであるが、まだ1996年では許された時代である。アグネス ラムといえば、全盛期の時にクラリオンのカーステレオ「Cyty Connection」のCM(エマニエル坊やの前)をやっていた印象が強い。あの頃も水着姿のポスターがあったから扱い的には「おっ、パイザー」と同じ扱いだったであろう。それだけにクラリオンのポスターを見た幼少の私にはアグネス ラムの印象は衝撃的であった。

それが20年以上経ってまた登場である。CMのなかのクルマより彼女に関心を持ってしまっていたのは事実である。

それもあって、このクルマの印象はほとんどない。言えることは「デミオがなければな・・・」というところだろう。当時5チャンネル化に失敗したマツダが起死回生策として登場させたクルマが初代デミオであり、それが大ヒット作となったのである。

決してクルマのつくりは良かったのは事実である。エンジンは平凡なスペックであるが、このクラスでは珍しいフルオートエアコンを装備しており、1ランク以上のクルマのアプローチをしていたが、如何せんデザインがイマイチ・・・。デミオと比較しても何かもったりした感が強く、市場からは当時の私と同様、クルマよりCMの印象が強いものとなっていた。

ほどなく、アグネス ラムもCMから出なくなり、ディーラーで展示されていることも無くなり、メーカーのラインナップからも無くなったクルマである。それ以降もダイハツはこの手のクルマには縁がなく、次に出るYRV、ブーンルミナス共にヒットしてない。

ちょっとCMのインパクトが強すぎてクルマの良さを伝えきれないままモデルを終了したクルマといえる。前にも書いたが今の時代では絶対アウトなCMだけにCM頼りにならないクルマを今後はどのメーカーも作るしかないだろう。それに期待したい。

でも、アグネス ラムは美人だった・・・。