ホンダ アコードエアロデッキ
(あこーどえあろでっき)
グレード・年式 | 2.0si 1985年 |
エンジン型式 | 直列4気筒DOHC |
排気量 | 1958cc |
出力・トルク | 160ps 19.0kg-m |
全長×全幅×全高 | 4335×1695×1335 |
車重 | 1090kg |
新車価格 | 236万3000円 |
説明
3代目アコードの3ドアモデルとして日本および欧州市場で販売され、カムバックのシューティングブレーク(2ドアクーペ由来のワゴン)の持つ個性的な意匠を特徴とした。仕向け地の嗜好を配慮し、北米およびオーストラリアなどへは、先代同様、オーソドックスなファストバックの3ドアハッチバックが用意され、北米では、さらにノッチバックの2ドアクーペが独自に開発・生産され、追加されている。
2ドアクーペは1988年から日本へも導入されるが、その影響を受けず、エアロデッキの国内販売は1989年に4代目へモデルチェンジされるまで継続されている。なお、当時アコードの姉妹車として併売されていたビガーは4ドアセダンのみであった。
日本市場では当代限りで消滅したエアロデッキの名称だが、欧州ではその後アコードワゴンや、6代目シビックのエステートモデル(英国生産の欧州向け)に継続使用されている。
セダンと同様にリトラクタブル・ヘッドライトを採用し、窓周りのフラッシュサーフェス化によりCd値は当時としては良好な0.34を達成している。セダン同寸の2,600 mmというロングホイールベースや、ワンダーシビックの流れを汲むワゴンタイプのシルエットにより、3ドアハッチバックながら中型セダン並みの後席スペースを確保した。
長く伸びたルーフ後端を少し下げ気味に傾斜させ、リアハッチ(バックドア)につながる荷室後部の屋根もガラス張りとした独特の外観は、当時の日本市場では受け入れられず、国内販売は不振であった。一方、英国市場では、すでにシューティングブレークなどで2ドアのワゴンというジャンルが確立していたこと、欧州でもワンダーシビックの影響で、比較的好評であった。
前輪駆動車では世界初の4輪ダブルウィッシュボーンサスペンションを搭載し、コーナリング性能と乗り心地が両立されている。また、車速感応パワーステアリングが採用され、40 km/h以下になるとハンドルが軽くなり、駐車などの際に運転を補助した。なお日本国内トップモデル「2.0Si」には4w-A.L.B.(4輪ABS)が標準装備されている(他グレードにもオプションにて設定あり)。
「2.0Si」にはB20A型エンジンを搭載。当時まだ珍しかったアルミ製のシリンダーブロックを採用しており、DOHCにもかかわらずエンジン重量が軽く、当時の市販車ではエンジン重量当たりの出力が世界一であった。このエンジンは、無限によってレース用に改造され、F3用エンジン(MF204)のベースとなった。他にB18A型、A18A型、そして欧州市場向けにA20A4型、A20A2型のラインナップがあった。
運転席および助手席からの視界は、大きなフロントウィンドウスクリーンや低く抑えられたインパネのデザインにより良好であった。スイッチ類は効率よく配置され、当時としてはきめ細かなドライビングポジションの調整も可能であった。
リアハッチはルーフ後端の一部までを含む形状のため、オープン時の上方開放部は大きく、また後方が狭い場所でもハッチが開けられる一方、下端はリアコンビランプの上までしか開かず、一般のステーションワゴンに比べると大きい、あるいは重い荷物の出し入れには適さない。また、後席への乗降性を重視したため、ドアは大きく重く、パワーウインドー未装着車の「LX」、「LX-S」ではウインドーレギュレーターでの窓の開閉が重く感じられる。
ロングルーフの恩恵として、後部座席の足元及び頭上スペースが広くなり、乗り降りを除いた後部座席の居住性は、同車4ドアセダンモデルより高いものとなった。
思い出
新年あけましておめでとうございます。昨年から本格始動しております「みやびモーター商会」毎週更新を目指して日々ネタ探しをしております。今年1年もネタ尽きるまでお付き合いいただければと思います。
1985年当時学生だった私は「クルマは4ドアに限る」との洗脳じみた考えがあり、「スポーツカー以外は2ドアなどありえない」と思っていました。その時はアコードに3ドアがあること自体受け入れ難い事実で過ごしていました。まぁ、初代アコードから3ドアがあったのだから受け入れても良かったのですがね・・・。
その後「ハッチバック」の利便性というものを理解してから5ドアの素晴らしさを知り、ヨーロピアンテイストの感じる5ドアハッチバックに傾倒した時期を迎えていました。
その後のクルマ選びに左右されるクルマにも出会ったのですが、その頃「おっ!!こんな素晴らしいクルマがあるじゃん!!」と感じたのがアコードエアロデッキです。
3ドアであるものの4ドア並みの居住性、リアバンクを小さくしたことによるステアリング性能のすばらしさ、そしてファミリーカーベースとは思えないスタイリッシュなデザイン。エアロデッキにしたことにより特性として光るものが出ていたのがこのクルマです。
しかも、エンジンは当時のホンダがレースで鍛え上げられたノウハウを使って作り上げた2リッターDOHCエンジン。走りがつまらないわけがありません。
クルマとしての完成度は高かったのですが、やっぱり売れないんですね。当時のハッチバックは・・・。街中で見るのも少なく、生産終了になっていました。当然その後中古市場に出るのも少なく、私のクルマ購入時には候補に挙がりませんでした。
タラればですが、あと5年免許を取るのが早かったら中古のエアロデッキに乗っていたのかもしれませんね・・・。非常に残念な経験をしたクルマです。