44台目は「た」

トヨタ ターセル

    (たーせる)

グレード・年式リトラGPターボ  1988年
エンジン型式直列4気筒OHCターボ
排気量1456cc
出力・トルク115ps  17.5kg-m
全長×全幅×全高3910×1635×1370
車重910kg
新車価格144万6000円

説明

1986年(昭和61年)5月 ボディタイプは3ドア/5ドアハッチバックとなり、2代目の4ドアセダンのみマイナーチェンジして継続販売とした(北米向けに限り2ドアクーペも設定。この2ドアクーペはのちにサイノス(現地名・パセオ)として発展する)。前期のキャッチコピーは「時の翼」。

また、2代目からのスポーツグレードは継承され、専用のリトラクタブルヘッドライト仕様(1.5Lのみ、スポーツパッケージはオプション)となった。スターレットがベースとなってエンジン横置き搭載の前輪駆動方式になり、ミッションも変更される。ホイールベースは、2代目と比較してさらに50mmも短くなったことで、小回りの特性が向上した。このモデルでも3ドア/5ドアハッチバックは、全車種横置き型前輪駆動方式となる。

ガソリン車は全車(4ドアセダンは、旧型に準ずる)SOHC12バルブ(1.3L・2E-U型、1.5L・3E-U型、1.5L EFI・3E-EU型)またこの3代目から、1.5Lディーゼルターボエンジン(1N-T型)が加わり全車種車型において、”LASER”エンジンを搭載。

1.3Lについては4MT/3AT仕様となり、1.5Lはガソリンエンジン、ディーゼルエンジンに関わらず5MTと4AT(ロックアップ機構付き)も選択できた。 グレード構成は、VC/VL/キューティ/VS/VXとなる。VCとキューティ(VLにも?)には、1.3Lガソリンエンジンを搭載、VL/VS/VXには1.5Lガソリンエンジンを搭載。VL・VX(VCにも?)には新設された、1.5Lディーゼルターボも設定。また、4輪独立懸架”PEGASUS”の標準化や、GP-TURBOには電子制御サスペンション”TEMS”のオプション設定があった。

1986年10月 歴代3姉妹シリーズ唯一の、1.5L SOHC12バルブインタークーラーターボエンジン(3E-TEU型)搭載の「GPターボ」が、3ドアリトラハッチバック仕様のみで設定される。

特別仕様車の「1.3キューティエクストラ」を設定、 廉価グレード”VD”の、エアコン/パワステ付きお買い得グレードとして、「ジョイナス(JOINUS)」を新設。「ジョイナス」はVCに準じており、1.3Lガソリンエンジン仕様と1.5Lディーゼルターボ仕様、ミッションは前者は4MTと3AT、後者は5MTと4ATが選べた。

1988年(昭和63年)5月 マイナーチェンジ、グレード設定と呼称の見直し。グレード呼称は、VC/VL/ジョイナス/キューティー/VX/リトラVR/リトラVS-i/リトラGP-TURBOとなる。オプションであったリトラのスポーツパッケージは、VS-iとGP-TURBOには標準で装着され、リトラVRが廉価グレードとして新設される代わりに、スポーツパッケージを省かれた。同時に、3ドアのみキャンバストップ仕様のリトラVS-iと1.5ガソリン仕様のジョイナスに設定。マイナーチェンジ後のキャッチコピーは「オシャレ通りの新ターセル」となった。

3ドア/5ドアに1.3Lガソリンエンジン仕様(4MT/3AT設定)の特別仕様車、「キューティエクストラ・ジョイナスエクストラ」をそれぞれ追加。ボディカラーはホワイトとソリッドレッドの2種、ホワイトがブルー内装、レッドはブラック内装となる。主な仕様として、既設グレード(キューティ/ジョイナス)に対して”キューティエクストラ”が「着座位置記憶機能付きシート・パワーウィンドウ・スペシャルエアコン・カラードバンパー/可倒式電動カラードドアミラー/カラードホイール/ブロンズガラス(チルトステアリング?)」、”ジョイナスエクストラ”は、「スペシャルエアコン・カラードバンパー/可倒式カラードドアミラー/カラードホイール」となる。

販売終了前月までの国内新車登録台数の累計は7万9664台[10]。

思い出

「タコⅡ」としてまとめられることが多かったトヨタのコンパクトカー「ターセル・コルサ・カローラⅡ」である。すぐ下にはスターレット、上にはカローラという偉大な車があったため陰に隠れることが多かったが、今回の世代のタコⅡはかなり振り切った車でもあった。3ドアハッチバックについて2種類にフェイスを用意し、このクラスの車ではなかなか無いリトラクタブルライトを備えたグレード、その名も「リトラ」があった。

当初はSOHCのみの設定であり、単なる「カッコだけ」のグレードであったが、その後スターレットに搭載されたターボエンジンの排気量アップ仕様の3E-TEU型エンジンが搭載されて性能的にもスポーツグレードが登場した。当時「かっとびターボ」と言われたスターレットのエンジンを載せているようなもの。それは早く「ドッカンターボ」の典型であった。

当時、私が通っていた予備校の講師がターセルに乗っており、なかなか元気に走らせていた記憶がある。また、別の講師は同型式のターセルの5ドアに乗っており、こんな短期間に同じ車のグレード違いを2台見る珍しいときがあった。片やぶっ飛び、片やノーマルといった対比も楽しく見ることができたものである。

やはりこの時代のクルマを考えると、1車種にかなりのグレード数を持っており、景気の良い時代だったのだなと思わせることもターセルを通じて感じたものである。現代に置き換えると、コスト重視のためからグレード数は絞り込み、車種自体も絞り込みが進んでおり、些か寂しさを感じてしまうこの頃である。

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