59台目は「く」

トヨタ クラウン

    (くらうん)

グレード・年式ロイヤルサルーンG   1990年
エンジン型式V型8気筒DOHC
排気量3968cc
出力・トルク260ps  36.0kg-m
全長×全幅×全高4860×1755×1400
車重1690kg
新車価格435万4000円

説明

キャッチコピーは「満たされて、新しいクラウン。」(1987年型)、「いつかはクラウンに、その想い、今こそ…」(1989年型)。

この1989年型のキャッチコピーにより、「いつかはクラウン」の略で「いつクラ」と呼ばれた。

4ドアハードトップのみに3ナンバー専用の「ワイドボデー」がラインナップ。先代までのバンパーのみならずドアやフェンダーも3ナンバー車専用とした。デザインは直線的な先代の面影を色濃く残しながらも、Cピラーの化粧板(クリスタル・ピラー)がなくなり、曲線を巧みに織り交ぜたものとなった。先代同様に個人ユーザー向けの4ドアハードトップはドアミラーが標準なのに対し、法人ユーザー向けのセダンはフェンダーミラーが標準。

装備・技術面ではエアサスペンション(ロイヤルサルーンG)、トラクションコントロール、CD-ROM情報によるカーナビゲーション機能を持ったエレクトロマルチビジョンなどが採用された。

グレードは、4ドアハードトップは「ロイヤルサルーンG」「ロイヤルサルーン」「スーパーサルーンエクストラ」「スーパーセレクト」「スーパーエディション」。セダンは「ロイヤルサルーンG」「ロイヤルサルーン」「スーパーサルーンエクストラ」「スーパーサルーン」「スーパーデラックス」「デラックス」「スタンダード」。ステーションワゴンは「ロイヤルサルーン」「スーパーサルーンエクストラ」「スーパーデラックス」。2.0 L車のみスーパーチャージャー搭載のグレードが存在した(2000ロイヤルサルーン・スーパーチャージャー)。インパネデザインはパーソナルインパネとフォーマルインパネの2種類があり、前者が4ドアハードトップ、後者がセダンと4ドアハードトップのコラムシフト車で選択できた。 ホイールデザインは6種類あり、上位2種類はアルミホイールでその他はスチールホイール。ワイドボデーは全グレード15インチアルミホイール、ロイヤルサルーン(ハードトップの5ナンバー及びセダン)が14インチアルミホイール、その他は14インチスチールホイール(オプションで14インチアルミ装着可能)だった。フロントグリルとリアのエンブレムは4.0 L車には「V8」、3.0 L車には「3.0」、2.5 L車には「2.5」のエンブレムが付く。2.0 L車には排気量のエンブレムは付かない。海外輸出は、セダン系が主でアジア・中東・アフリカ向けにロイヤルサルーンが用意されたほか香港・シンガポール・中東の一部の地域で何れも4ドアハードトップ3000ロイヤルサルーンの輸出がある。

当時のバブル景気と販売時期が重なり、月間販売台数で一時カローラを上回る。年間販売台数も、1988年 – 1990年は日本車の販売ランキングでカローラ、マークIIに次ぐ第3位を記録し、1990年は歴代・過去最高の23万9858台を記録した。 特に4ドアハードトップが人気で販売台数が多かった。

1987年9月1日 発表、発売。東京地区では従来、S12#型までは東京トヨペット専売だったが、このモデルから新たに東京トヨタでも取り扱い開始。

1988年5月4ドアハードトップ(5ナンバー)に特別仕様車「スーパーセレクト・スーパーチャージャー」が登場。

1988年9月一部改良。 2.0 Lの1G-Eがハイメカツインカムの1G-FE型へ変更(バンは1G-Eのまま)。1G-GE、1G-GZEを改良し、出力向上。ATシフトロックシステムが採用。

1989年2月 – 4ドアハードトップ(5ナンバー)に特別仕様車「アスリート」が登場[注釈 16]。

1989年8月 – マイナーチェンジ。フロントグリル、フォグランプ、テールランプ、前後バンパー、ステアリングのデザインなどを変更。3.0 L車等には運転席エアバッグがオプションで装着できるようになった。また、バンも1G-FEに換装した。同年10月発売のセルシオに先行してV8 4.0 Lエンジンの1UZ-FEが搭載される(UZS131型)「4000ロイヤルサルーンG」が登場した。1964年に登場したクラウンエイトを除く初のV8搭載車であり、後のクラウンマジェスタの源流となる。ワイドボデーに2.0 L車「2000ロイヤルサルーン・ワイドボデー・スーパーチャージャー」が登場。3.0 L 7M-GEがレギュラーからハイオク化。また6気筒LPGのエンジンは1G-GPに換装。4ドアハードトップのワイドボディーに「アスリートL」をカタログモデルとして追加。これは専用のハーダーサスペンションにブリヂストン・ポテンザとSタイプパッケージを組み合わせたもので、TEMS連動デュアルモード新PPSも専用であり、内装はスーパーサルーンエクストラと同等である。

1990年8月1JZ-GE型エンジン搭載の「2500ロイヤルサルーン」(4ドアハードトップ/セダン/ワゴン)が登場。これにより5ナンバーの2.0 L DOHC(1G-GE)搭載の「2000ロイヤルサルーン」は廃止された。

1991年5月 4ドアハードトップのワイドボデーに2.5 L 1JZ-GEを搭載した「ロイヤル仕様スーパーセレクト」が登場。お買い得なグレードであった。

1991年8月 ロイヤル仕様スーパーセレクトに2.0 Lを追加。

1991年10月 4ドアハードトップだけが9代目にフルモデルチェンジ。

1991年10月 セダン・ステーションワゴン・バンがマイナーチェンジ。4フェイスデザインがS13#型からS14#型風のものに変更された。また、4.0 L 1UZ-FE型エンジンが廃止され、3.0 L 7M-GEを2JZ-GEに換装。ハンドルがS14#型と共通化された。この頃、現行のトヨタマークが制定されたが、ステーションワゴン・バンは本来の設置場所であるナンバープレート上にトヨタマークを設置するスペースがないため、小振りのトヨタマークがリヤ右側の車名ロゴの左側に設置された。

1993年8月 セダン・ステーションワゴンの3ナンバー車のフロントグリル形状を変更。バンのスタンダードを廃止。

1995年12月 セダン生産・販売終了。ステーションワゴンのマイナーチェンジを行い、運転席エアバッグ(ハンドルデザインはX90型ハードトップシリーズとマークIIバンおよびワゴンと共通)とABSを全車標準装備した。また、サードシートはロイヤルサルーンのみの設定となり(他グレードは5人乗りのみの設定となる)、従来ロイヤルサルーンに標準装備であったリアクーラーはメーカーオプションとなる。スーパーサルーンエクストラはロイヤルエクストラに名称変更され、ワゴン・バンはコラムシフトが廃止されフロアシフトのみとなる。

1996年9月 ステーションワゴンの2.5 L 1JZ-GEをVVT-i化。

1997年4月 ステーションワゴンを改良。3ナンバー車のフロントグリルの形状が変更され、助手席エアバッグを標準装備。ステアリングホイールはS150系と共通デザインとなる。

1999年12月15日 – ワゴンの新型であるクラウンエステートの登場に伴い、ステーションワゴン・バンは販売終了(バンはカルディナバンに統合)。販売終了前月までの新車登録台数の累計は14万4170台。

思い出

いつの時代も「いつかは、クラウン」なのである。

マークⅡに乗っていた私にとっても、やはり別格であったクルマ。それがクラウンであった。その集大成と言えるのがこの8代目のS13型であろう。

何といってもテレビが標準で付いているのである。これほどの贅沢がクルマに必要だったのだろうかと思ったが、当時少年だった私には魅力的に見えたものである。そしてワインレッドの内装。その時は知らなかったが何かのいやらしさを感じる内装であった。

そんなクラウンがマイナーチェンジをして載せたエンジンがなんと驚きのV8ツインカム。後に発売されるセルシオのエンジンをまんま載せたのである。

運転を知らない私でも「直線番長のコーナーはだめだろうな…」と安易に想像できる性能であったろう。それでもやっぱり魅力的に感じたのは他でもないバブルという時代がそうさせたのであろう。

セルシオが出たことで陰には隠れてしまったが、やっぱりクラウンは最高級車なのである。スーパーホワイトⅡのボディにBBSのメッシュホイール、これにダミーの自動車電話のアンテナが立てば1台完成だったのだから。

正直、今のクラウンにはそのいやらしさが感じられない。洗練されすぎているのだ。時代に合わないかもしれないが、そんないやらしいクルマが現代にあってもいいと思う。ゴテゴテのクルマが欲しいと思ってしまう今日この頃であった。

もう一度言おう。「いつかはクラウン」なのである。

にほんブログ村 車ブログへ
にほんブログ村