23台目は「わ」

スズキ ワゴンRワイド

      (わごんあーるわいど)

グレード・年式XZ    1997年
エンジン型式直列4気筒DOHCターボ
排気量996cc
出力・トルク100ps  12.0kg-m
全長×全幅×全高3400×1575×1705
車重890kg
新車価格135万5000円

説明

ワゴンRをベースとし、ボディーサイズを拡大した小型車。ワゴンRを拡幅した新型プラットフォームに、ワゴンRのボディーシェルを拡大・架装するとともに、ワゴンRと部品の共通化を図るなど、投資や開発工数を極力抑えて開発。ワゴンR譲りの乗降性の良さや、見晴らしの良い着座位置に加えて、コンパクトでありながら大人5人が乗車してもゆとりのある室内空間が高く評価された。

また、リッターあたり100馬力のターボ車を設定したこともあり、順調に販売を伸ばしてコンパクトハイトワゴンという独自の市場を切り拓いた。拡幅車は海外でも高評価されたため、当社の海外生産拠点の多くで生産し、各国で販売した。

また、GMとの業務提携の一環として、GM傘下のオペルが「Agila(アギラ)」を生産・販売。日本国内ではGM向けに「シボレー・MW」を当社が生産し、GMとスズキの販売網で販売した。

国内名称は初代がワゴンRワイドで、2代目のワゴンR+(プラス)を経てワゴンRソリオに改名。2代目のマイナーチェンジ時よりソリオとなった。3代目以降はデザイン的にもワゴンRから完全に独立した。2015年に発売のソリオは、当社が販売する登録車の中で最量販車種となった。

全長3,400mm×全幅1,575mmのコンパクトなサイズに、大人5人がゆったりと座れるトール&ワイドな居住空間を備えた、個性的なデザインの小型ワゴン。リヤシートを倒すと最大633L(VDA法)の広々としたラゲッジスペースが得られた。また、助手席下のシートアンダーボックスなど豊富な収納スペースを備えることで使い勝手を追求した。エンジンは軽量・コンパクト・高性能な新開発のオールアルミ製K10A型4気筒1000ccDOHCエンジンを全車に搭載。また、100PS(ネット)を発揮するインタークーラーターボ搭載車も設定した。

思い出

軽自動車のボディーを横に伸ばして普通車として売り出す、そんな無茶苦茶なことをやってのけたのがワゴンRワイドである。生産期間も2年と短く、存在自体も忘れ去れているクルマである。

正直、このクルマには深い思い入れはなく、身の回りに乗ってる人もいない。あっという間に生産が終了したクルマとしか記憶にない。いくら本家ワゴンRよりも広い室内やDOHCターボを積んだとしてもクルマが「道具」として扱われた最たるものとして当時から根強い歓迎感はなかったものである。

人によって考えは様々かもしれないが、私にとってはクルマは「崇高」なものであって、単なる「道具」とは考えることができない。長年生きていてもクルマは常にそばにあるもの、ポリシーを持っているものとして私の心には宿っている。そんなことからこの手のクルマは当初全く受け入れてなかった。

しかし人はわがままなものである。マニアックなクルマを追いかけるほど、このクルマの希少性に関心を持ってしまうものである。ここまでくると病気のようなものだが・・・。

走りは微妙であったろう。でもアルミエンジンのDOHCターボはアルトワークスっぽさを出しているのかもしれない。当然、足回りはワークスの足許には及ばないものであっただろうが、このクラスのクルマを必要とした人には楽しく走ったに違いない。

流石に現存する車両も少ないだろう。見かけることも今後はないかもしれないが、興味がなかった故の記憶に残したいクルマである。