ニッサン スカイラインクロスオーバー
(すかいらいんくろすおーばー)
グレード・年式 | 370GT FOUR タイプP 2009年 |
エンジン型式 | V型6気筒DOHC |
排気量 | 3696c |
出力・トルク | 330ps 36.8kg-m |
全長×全幅×全高 | 4635×1800×1575 |
車重 | 1830kg |
新車価格 | 499万8000円 |
説明
2007年12月、北米市場に日産の高級車ブランドであるインフィニティのモデル、EX35が投入された。そして、2009年7月にインフィニティブランドが展開されていない日本において日産ブランドの「スカイラインクロスオーバー」として発売された。
スカイラインの名称を冠してはいるが、型式はほかのセダン・クーペの「V36型」ではなく、「J50型」となった。セダン・クーペとはEプラットフォームを共有しているものの、プラットフォーム共有の進んでいる日産ではフーガなどのモデルもこのプラットフォームを使用しており、また日本国外向けにインフィニティブランドで販売されているセダン・クーペは両車とも「Gシリーズ」として販売されているが、このモデルのみが別名称の「EX」となっている。また、スカイラインシリーズに於いてはセダンがV37型にフルモデルチェンジするまでは唯一、丸型四灯テールランプを採用していなかったほか、他のスカイラインシリーズとエクステリア部品で共有しているのはターンシグナルレンズのみであった。
スカイラインシリーズにステーションワゴンタイプが設定されるのは、7代目R31型廃止以来20年ぶりであり、日産ブランドとしてのFRステーションワゴンタイプは2代目ステージアの販売終了以来約2年ぶりである。
エンジンは欧州仕様のEX37や他のスカイラインシリーズと同じく、V型6気筒 3.7L VQ37VHRエンジンを搭載し、ジヤトコ製JR710E/JR711E型マニュアルモード付フルレンジ電子制御7速オートマチックトランスミッションが組み合わせられる。なお、日本発売の時期は7速AT登場を待つことにより他国よりも遅れたという。
プラットフォームには他のスカイラインシリーズと共通のEプラットフォームが採用されたが、ホイールベースは50mm短縮された。これはスタイリングを追求したためであるが、これにより生産コストは増加した。プラットフォームはセンターフロアより前方をV36型セダンと共有しているが、ハッチバック化に伴う捩り剛性低下を10%程度に抑え、セグメントトップの剛性を達成した。
フロントサスペンションはほかのスカイラインシリーズと共通だが、リアには新レイアウトのマルチリンクサスペンションが採用され、デュアルフローパスショックアブソーバーには専用チューンが施された。
ホイールには全車18インチアルミホイールが採用され、タイヤにはダンロップ製の225/55R18 SP SPORT 7000 A/Sオールシーズンタイヤが装着されている。
駆動方式は後輪駆動とアテーサE-TSを採用する四輪駆動が用意され、それぞれグレードとして「370GT」、「370GT Type P」(四輪駆動車は「370GT FOUR」、「370GT FOUR Type P」となり、型式がNJ50となる)が用意される。Type Pは上級グレードとなり、アラウンドビューモニターなどが標準装備されるほか、フロント・サイドシル・リアアンダープロテクターがセットとなったエアロパッケージをオプションとして選択することができる。
なお、アラウンドビューモニターの採用は日産ブランド車としてはエルグランド、セレナに次いで3番目であるが、このモデルに採用されたものは前二者よりも機能が向上されたもので、新たに「駐車ガイド機能」、「フロント/リアワイドビュー機能」、「ナビ連動フロントワイドビュー機能」が採用された。
思い出
スカイラインといえばスポーツカーの代名詞。日本を代表するクルマであるが、たまにラインアップで「こんなのあり?」みたいなのを出してくる。
バンやステーションワゴン、5ドアハッチバックなんてのもありました。近年のスカイラインでの変わり者担当だったのがスカイラインクロスオーバー。「なぜ、スカイラインにSUVテイストを?」と感じてしまう者でしたが、考えてみれば前兆はあったのですよね。
そうです。「ステージア」の存在です。2代目ステージアには「ARX」という車高を上げてオーバーフェンダーを装着したSUVモデルがあったのです。確かにステージアが生産中止になり、この手のカテゴリーのクルマがなかったのですね。ステージアARXは元の上司が乗っていたので一度助手席に乗せてもらいましたが、トルクフルで車高が上がっても安定したコーナリングでいいクルマでした。
その流れを継いだスカイラインクロスオーバー、「さぁ!!ステージアの後釜に!!」とは出てきたものの、見るからにステージアとは違うラゲッジルームの小ささ、スカイラインと名乗っていながら丸型テールでない、それにやけにデカい3.7リッターエンジン。これだけパワーがあれば速いかもしれないが、アウトドアではないよね、というのが素直な感想だったでしょうか。
当時としては先端技術を積んでいいクルマであるのは確かです。でも上位グレードは高いしデカい。景気に限りが見えてきた当時では当然ながら台数を伸ばすことができないまま生産終了となりました。いいクルマなんですよ・・・。
噂によるとインフィニティブランドでスカイラインのSUVが出るとか出ないとか。そうなればスカイラインクロスオーバーの復活ですね。期待して待ちましょう!!(でも、もうこの国にSUV乗る人たちのマーケットが拡大するのだろうか?)