ホンダ トゥデイ
(とぅでい)
グレード・年式 | Gtype 1985年 |
エンジン型式 | 直列2気筒OHC |
排気量 | 545cc |
出力・トルク | 31ps 4.4kg-m |
全長×全幅×全高 | 3195×1395×1315 |
車重 | 560kg |
新車価格 | データなし |
説明
軽ボンネットバン(商用車)として発表された。CM出演者は今井美樹(~1991年まで)。初期のCMソングは「はぐれそうな天使」(当初は来生たかお版だったが、途中から岡村孝子版に変更。)
丸形ヘッドランプはエンジンフードとフロントバンパーにまで食い込み、リアコンビネーションランプはリアバンパー内に設置、またフロントワイパーはシングル式とユニークな仕様で、全体にスラント&ショートノーズデザインのスタイルが印象的な車である。
シリンダーが水平近くにまで前傾されたエンジンの下にデファレンシャルギアを配置することによって、エンジンルームの全長を抑えて広い室内空間を実現していた。同社のCR-X(2代目)よりも長い2,330mmのホイールベースと広いトレッド(前:1,225mm・後:1,230mm)により、最小回転半径は大きかったものの、当時の軽自動車を凌駕する操縦安定性を確保していた。いわゆる『M・M思想』(Man-Maximum・Mecha-Minimum)に基づき開発されたこのレイアウトの発案者は、後の本田技研4代目社長でもある川本信彦であった。
エンジンはEH型エンジンのみのラインナップ。当初は新たに直列3気筒もしくは4気筒エンジンの開発を企画していたが、予算も限られていたことから、アクティ用の2気筒エンジンをチューンして搭載する。組み合わせられるトランスミッションは、4速MTとホンダマチック(セミオートマチック)の2種。
打刻型式 JW1-100
思い出
このクルマで思い出すのは、CMソングの「はぐれそうな天使」とマンガ「逮捕しちゃうぞ」になるだろう。
今井美樹が出演してバックに流れる岡村孝子の楽曲に強い印象が残る。クルマとしては商用車ということもあることからよく言えば「シンプル」、悪く言えば「安っぽい」クルマであった。内装は鉄板むき出し、4速マニュアルに2気筒エンジン・・・。速く走れというのが無茶な話である。当時の軽商用車にしては奇抜なデザインで、カラーも赤や黄色を使っていてオシャレ感を出していたのだろうか余計に走るイメージからは遠のいてしまう。
そんなイメージを一気に変えさせたのはマンガ「逮捕しちゃうぞ」である。「あの」トゥデイに西部警察のマシンの如くフルチューンをさせてパトカーとして活躍するという到底見当つかないことをやってきたのだ。当時少年の私も「ヴォルグのTE37が履けるんかい!!それに2気筒エンジンにDOHCヘッド載せてターボ化なんて低速カスカスで走らんやん!!」とツッコミを入れていたが、まぁマンガの話である。そこはご愛敬だったのだろう。しかし、よくよく考えると理には適っている。車高の低さを使ってのコーナリング性能の良さを活かし走り回る姿は後に同じホンダから出ることとなる2代目シティにも通じるところとなるだろう。2代目シティは初代からの大幅なモデルチェンジでジムカーナやラリーで活躍するクルマとなったのだからトゥデイと重なるところを感じる。
当然ながら現存するクルマは殆どないであろう。もしも私に自由にお金を遣える財力があればプライベートでフルチューンのトゥデイを作っていたかもしれない。そんな夢を持たせるクルマである。